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CB125Rは軽量コンパクトな車体に高いデザイン性を兼ね備えた、街乗りにもツーリングにも最適な125ccバイク。
その扱いやすさとスタイリッシュな見た目で人気を集めていますが、排気量ゆえに「もう少し力強さがほしい」と感じる人も少なくありません。
そんなCB125Rのポテンシャルをさらに引き出す方法として注目されているのが“フルパワー化”。
ECUチューンや吸排気カスタムを通じて、本来の性能を開放すれば、走りの質はまさに別次元へと変わります。
この記事では、CB125Rをフルパワー化することで得られる性能向上の実例やカスタム手法を、初心者にもわかりやすく丁寧に解説。
さらに、自分の走り方や使い方に合わせたおすすめのカスタム構成まで紹介します。
「走りにもう一歩の伸びがほしい」「所有する喜びをもっと感じたい」、そんな方にこそ読んでいただきたい、CB125Rフルパワー化の決定版ガイドです。
この記事のポイント
- CB125Rをフルパワー化することで得られる走行性能の変化
- ECU書き換えやボアアップなど主要なカスタム手法の概要
- 実際のユーザー事例に基づくカスタム効果の体感レビュー
- 法規制や保証などフルパワー化に伴う注意点
- ライダータイプ別におすすめのカスタム構成
CB125Rのフルパワー化とは?走りが変わる理由と魅力

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CB125Rの基本性能とパワー不足の背景
CB125Rは、ホンダが展開する軽量・高燃費の125ccネイキッドバイクで、デザイン性と実用性を兼ね備えた一台です。
コンパクトな車体は取り回しやすく、街乗りはもちろん、ちょっとしたロングツーリングでも快適に走行できます。
また、燃費性能が非常に高く、維持費も抑えられることから、通勤・通学など日常使いのバイクとしても人気があります。
さらに、ABSやフルLEDヘッドライトなど、装備面でもクラスを超えた充実ぶりが評価されており、初心者ライダーからセカンドバイクとしての需要まで幅広く支持されています。
しかし、日本国内仕様は排出ガス規制や騒音基準、安全基準などの法的要件により、欧州仕様に比べて出力が制限されています。
具体的には、ECU(エンジンコントロールユニット)によって燃料噴射量や点火時期が抑えられており、本来持っているエンジン性能を十分に発揮できていないのが現状です。
このため、よりスポーティな走りを求めるユーザーや、海外仕様に近づけたいと考えるライダーの間で「フルパワー化」への関心が高まっており、性能アップを目的としたさまざまなカスタムが注目を集めています。
モデル | 最高出力(PS) | 最大トルク(Nm) | ECU制限 | 備考 |
---|---|---|---|---|
日本国内仕様 | 約13PS | 約10Nm | あり | 法規制による出力制限 |
欧州仕様(フルパワー) | 約15PS | 約11Nm | なし | ECU制限が緩やか |
なぜCB125Rのフルパワー化が注目されているのか
- 軽量な車体にもう少しトルクとスピードがほしいという声は多く、特に登坂時や高速道路の合流などでパワー不足を感じる場面では、もう一歩の加速感が欲しくなる
- 中型バイクほどの維持費や車体価格をかけたくないものの、走りの面では満足度を追求したいライダーにとって、CB125Rのカスタムはコストパフォーマンスが高く魅力的な選択肢となる
- カスタムによって自分だけのスタイルや走りを追求できる点も、趣味性の高いバイクユーザーにとって大きな魅力であり、外観の変更だけでなく走行性能にもこだわる人が増えている
このような理由から、ECU書き換えやボアアップ、さらにはマフラーや吸排気系、軽量パーツなどを通じて、CB125Rの潜在能力を引き出すフルパワーカスタムが注目を集め、実際に実践するユーザーも年々増加しています。
CB125RとCBR125R/CB125R新型モデルの比較
CB125Rはネイキッドスタイルで軽快なハンドリングと高い視認性を活かした設計となっており、特に街中での取り回しのしやすさに優れています。
CBR125Rはフルカウルを備えたスポーツモデルであり、空力特性とスポーティなポジションにより、より高速走行に適した設計です。
どちらのモデルも共通のエンジン系列を採用しているため、エンジン性能や構成部品において互換性がある点が特徴です。
さらに注目すべきは、欧州で販売されているCB125Rが日本仕様よりも高出力なフルパワー仕様であるという点です。
これにより、パーツの流用やECUマップの参考元として非常に役立ちます。
たとえば、欧州仕様のスロットルボディや吸気系統のセッティングは、国内仕様でフルパワー化を検討する際の重要なヒントとなり得ます。
また、海外フォーラムやレビューから得られるユーザー体験談も、国内ユーザーのカスタム選びにおいて貴重な情報源となっています。
このように、CB125RとCBR125Rのエンジン・構造の共通点や、欧州モデルとの性能差を知ることで、より効果的かつ安全にフルパワーカスタムを行うための知識が深まります。
モデル | タイプ | 最高出力 | ECU互換性 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
CB125R(国内) | ネイキッド | 約13PS | あり | 街乗り向き、抑制された性能 |
CBR125R(欧州) | スポーツ | 約15PS | 流用可能 | ECUマップが参考になる |
新型CB125R(欧州) | ネイキッド | 約15PS | 互換あり | 最新モデルに近い仕様 |
CB125Rフルパワー化の主な方法

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ECU書き換えで出力・馬力をアップする方法と注意点
ECU(エンジンコントロールユニット)の書き換えは、CB125Rをフルパワー化するための中で最も手軽で、コストパフォーマンスにも優れた方法といえます。
これは、エンジンの挙動を司るマップデータ(点火時期や燃料噴射量など)を変更することで、本来持っているパフォーマンスを最大限に引き出すチューニング手法です。
具体的には、国内仕様のECUは出力を抑えるようにプログラムされており、それを欧州仕様に近い内容へと書き換えることで、出力やレスポンスを向上させることが可能です。
また、スロットル開度に応じた燃料供給量や回転数リミッターなどの設定も変更できるため、加速性能や最高速の向上にも直結します。
このカスタムの魅力は、エンジン内部に手を加えることなく性能アップが狙える点です。エンジンを開ける必要がないため、ボアアップなどに比べて工数が少なく、比較的リスクも低いとされています。
ただし、チューニング内容によってはエンジン負荷が高まるため、オイル管理や冷却性能の見直しなども視野に入れておく必要があります。
項目 | 内容 |
---|---|
費用 | 約15,000円〜50,000円 |
効果 | 出力+2PS前後、加速・最高速アップ |
注意点 | 保証対象外、書き換え失敗リスクあり |
おすすめツール | BAZZAZ、RapidBike、専用ECUツールなど |
※ショップに依頼する場合は適切なセッティングが保証され、初心者には安心です。
ボアアップ・ボアアップキット導入の効果と選び方
ボアアップは、エンジンのシリンダー径を拡大することで排気量そのものを増加させ、パワーアップを図るカスタム手法です。
この方法は125ccクラスのエンジンを150cc前後にまで引き上げることで、低速域から高速域までのトルクが明確に向上し、加速や最高速に顕著な変化が現れます。
ボアアップされたCB125Rは、信号待ちからの発進や坂道走行、高速道路での追い越しといった場面での力強さが段違いに感じられ、「まるで別のクラスのバイクに乗り換えたかのような印象」を与えてくれます。
また、ギアチェンジの幅が広がり、エンジン回転数に余裕が生まれるため、長距離ツーリングでもストレスが少なく快適な走行が可能になります。
- 推奨メーカー:SP武川、キタコ、デイトナなど、信頼性と実績のあるメーカーから選ぶのがおすすめです。
- 注意点:車検対象外の原付二種であっても、排気量変更により道路運送車両法に抵触する可能性があるため、公道走行時には注意が必要です。また、燃調の調整や冷却系の強化も合わせて行わないと、エンジンに過度な負荷がかかり、トラブルの原因になることがあります。
ボアアップはコストや手間はそれなりにかかるものの、CB125Rの走行性能を劇的に変化させる魅力的なカスタム手法といえるでしょう。
効果の目安:
排気量 | 最高出力(参考値) | 最大トルク(参考) | コメント |
---|---|---|---|
ノーマル125cc | 約13PS | 約10Nm | 街乗り向き |
ボアアップ150cc | 約16〜18PS | 約13〜15Nm | 高速巡航も余裕、燃費はやや低下 |
マフラー交換や軽量化によるパワーアップカスタム
マフラー交換は、排気効率を高めることでトルクやエンジンレスポンスの向上を実現する定番のパワーアップカスタムです。
特に純正マフラーは騒音規制やコスト面を考慮して設計されているため、排気抵抗がやや高くなっています。
その点、アフターマーケット製のマフラーは軽量かつ高効率な構造になっており、排気ガスがスムーズに排出されることで燃焼効率が向上し、スロットルの反応性や加速力の向上が期待できます。
さらに、軽量なスリップオンタイプのマフラーを選ぶことで、車体全体の重量を2〜3kg削減できる場合もあり、取り回しの軽さにも貢献します。
軽快なサウンドや外観のドレスアップ効果もあり、走行時の満足感を高めることができます。
また、マフラーの種類によっては中低速トルクを重視した設計や、高回転域での伸びを重視したタイプなど選択肢が豊富で、自分の走行スタイルに合ったセッティングが可能です。
見た目の印象を大きく変える要素でもあるため、性能とデザインの両面でCB125Rのカスタム性を引き出す非常に効果的なパーツ交換といえるでしょう。
代表的なマフラー:
- モリワキ(MORIWAKI)
- ヨシムラ(YOSHIMURA)
- BEAMS
軽量パーツとしては以下が有効です:
- 軽量ホイール
- アルミステップ
- バッテリーをリチウム化
武川・ホンダ純正など注目パーツ&パーツ選びのポイント
信頼性と性能の両立を目指すなら、長年にわたり高品質な製品を提供してきた実績あるブランドを選ぶのが最も安心です。
こうしたブランドは、製品開発の段階で実車による耐久試験や実走行テストを繰り返しており、信頼性の高さが証明されています。
また、ユーザーからのフィードバックを基にした継続的な改良も行われているため、最新の車両に対応した製品ラインナップも充実しています。
加えて、万一のトラブル時にもアフターサポートや交換部品の供給体制が整っていることが多く、初心者でも安心して導入できます。
メーカー名 | パーツ例 | 特徴 |
---|---|---|
SP武川 | ボアアップキット、スロットルボディ等 | 高性能・高品質で定評あり |
キタコ | 強化クラッチ、エアクリーナー等 | コスパ重視カスタム向き |
ホンダ純正 | ECU、エンジン周辺部品 | 安心の純正互換 |
各フルパワーカスタムのレビュー・体験談

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ECUチューン実践者の評価・レビュー
実際にECUチューンを行ったユーザーの多くが、走行性能において非常に明確な変化を感じています。
加速のスムーズさや高速域での伸び、さらには低中速域での扱いやすさにおいてもポジティブな評価が多く見られます。
特に純正ECUのままだと、回転数の上昇が鈍く、出力が途中で頭打ちになるようなフィーリングだったという意見が多いのに対し、書き換え後は回転の上昇が滑らかで、トルクの立ち上がりも明確になったと評されています。
また、スロットルを開けた瞬間の反応がシャープになり、レスポンスの向上によりコーナーの立ち上がりなどでも扱いやすさが増すといった声も挙がっています。
街乗りでのストップ&ゴーが楽になったという日常的なメリットを挙げる人もおり、ツーリングやワインディングでの楽しさに加えて、実用性の向上にも繋がっている点が魅力です。
「坂道発進でもたつく感じが無くなった」「ギアチェンジがスムーズで走っていて楽しい」といったレビュー多数。
表:ECUチューン前後の比較(ユーザー体験に基づく)
項目 | チューン前 | チューン後 |
---|---|---|
発進加速 | やや鈍い | 力強く、スムーズ |
高速域での伸び | 回転数頭打ち | 伸びやかに加速 |
スロットルレスポンス | ややもたつく | シャープに反応 |
燃費 | 約45km/L程度 | 約40〜43km/L(走り方次第) |
ボアアップ・マフラー換装後の走行フィールとパワーの変化
ボアアップとマフラー交換を併用しているユーザーからは、「中型バイク並みの加速感」「坂道も2速のままでスイスイ登る」といった声が多く寄せられています。
これにより、CB125Rが持つポテンシャルが一気に解放され、従来の125ccでは体感できなかったレベルの走行性能を実感できるようになります。
また、エンジンからの音質変化についても多くのユーザーが好意的な反応を示しており、「低音が響いて迫力が増した」「アクセルを開けたときのサウンドにテンションが上がる」といった評価も多数見られます。
さらに、マフラー交換により振動の質感が変化し、手に伝わるフィーリングやエンジンの鼓動がよりスポーティに感じられるようになったとの声もあり、バイクとの一体感が向上したと実感しているユーザーもいます。
特に150cc相当までボアアップした場合、低回転からのトルクが増し、巡航速度での回転数も抑えられるため、エンジンに余裕を感じられるようになります。
その結果、長距離走行時のストレスが軽減され、疲労も少なくなるという実用的なメリットも報告されています。
レビュー例:
- 「BEAMSのマフラーに替えたら、回転上昇がスムーズで音も迫力ある」
- 「武川のボアアップキット+ECU書き換えで別のバイクになった感覚」
初心者にも分かるフルパワーカスタムのポイント
初心者がCB125Rをフルパワー化する際にまず注意すべきなのは、「どの性能を優先して伸ばしたいか」を明確にして、自分の使用目的に合ったカスタム方向を選ぶことです。
やみくもにパーツを交換するのではなく、目的に応じて段階的かつ計画的に手を加えていくことで、無駄な出費や失敗を防ぐことができます。
- 加速重視 → ECUチューンやマフラー交換。信号待ちからのダッシュやコーナー立ち上がりの鋭さがアップし、街乗りでの楽しさが増す。
- トルク重視 → ボアアップ。登坂性能の強化や、長距離巡航時のエンジン負荷の軽減に効果的。
- 軽快さや見た目重視 → 軽量ホイール、外装パーツの変更。操作感や燃費向上、デザイン性にも寄与。
また、無理のないステップアップを意識することも非常に重要です。
いきなりエンジン内部に手を加えるのではなく、まずはECUの書き換えや吸排気パーツの交換といった「ライトチューン」から始めることで、バイクの変化を体感しながらスキルや知識を身につけることができます。
こうした段階的アプローチは、費用や作業難易度の面でも安心感があり、カスタム初心者にとってもチャレンジしやすい方法として支持されています。
CB125Rフルパワー化のメリット・デメリットと問題点

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出力・馬力・加速性能・最高速の向上
CB125Rのフルパワー化によって最も大きなメリットとして挙げられるのが、出力・馬力の向上です。
ECUチューンやボアアップ、マフラー交換などのカスタムによって、最大で2〜5馬力の向上が期待でき、これは車両重量の軽い125ccクラスにおいては非常に大きな数値変化です。
この変化は単なるスペックの向上というよりも、ライダーが走行中に直接体感できるものであり、特にスタートダッシュや中速域からの追い越し加速、また登坂路での力強さなど、さまざまなシチュエーションでその効果が顕著に現れます。
市街地走行では、ストップ&ゴーの多い環境下でも車両のレスポンスが向上することで、より軽快な操作感とストレスの少ないライディングが可能になります。
一方、ワインディングではアクセルの微妙な操作に対してもリニアに反応するため、スポーティな走りがさらに楽しくなるのが大きな魅力です。
最高速に関しても、フルパワー化によって10〜15km/h程度向上するケースがあり、特に法定速度内での巡航に余裕が生まれることから、ツーリングや高速道路での快適性が大きく改善されます。
高回転域でのエンジンの伸びや、スロットルに対する反応の鋭さは大きく改善され、スロットルを開けたときの加速感や音の変化が、ライダーの感性にダイレクトに響くようになります。
さらに、車体バランスや車両の軽量性を活かしたコーナリング性能の向上も期待でき、より高度なライディング技術を引き出す要素としてもフルパワー化は魅力的です。
カスタム内容 | 出力向上 | 体感効果 |
---|---|---|
ECU書き換え | 約+2PS | スロットルレスポンスが鋭くなる |
ボアアップ | 約+3〜5PS | 登坂や高速巡航で力強い加速が可能に |
マフラー交換 | 約+1〜2PS | 排気効率改善で伸びやかな回転フィール |
パワーアップによる燃費や価格の変化
出力向上に伴い、燃費の変化も気になるポイントです。
フルパワー化のカスタムは、エンジンの出力を引き上げることで燃料消費量もわずかに増える傾向がありますが、その影響はカスタム内容や走り方によって大きく左右されます。
一般的には、ECU書き換えのみの軽微なカスタムであれば、燃費の変化はごくわずかで、日常使用においてもほとんど影響を感じないというユーザーが多いです。
一方で、ボアアップや高回転型マフラーを組み合わせると、パワーアップの恩恵と引き換えに燃費が5〜15%程度低下するケースもあり、通勤などで毎日長距離を走るユーザーには事前の検討が必要です。
ただし、多くのライダーは「燃費を少し犠牲にしても、バイクに乗る楽しさやパフォーマンスの向上を優先したい」と考えており、趣味性の高い乗り物としての価値を重視する傾向があります。
また、走り方の工夫やセッティング次第では、燃費をある程度維持することも可能です。
例えば、マフラーやエアクリーナーの変更と同時にECUを適正にセッティングすることで、燃費悪化を最小限に抑えることができます。
実際に、40km/L以上の燃費を保ちながらパワーアップを楽しんでいるユーザーも多数存在します。
価格面では、ECU書き換えが最もコストパフォーマンスに優れており、1〜5万円ほどで実施可能です。
ボアアップの場合は、キット本体に加えて工賃や関連部品代がかかり、5〜10万円前後が相場となります。
マフラー交換はブランドや素材によって幅がありますが、おおよそ3〜8万円が目安です。
さらに、吸気系や強化クラッチなど他の補機類を含めた場合、10万円を超えるケースもあるため、全体の予算配分を事前に明確にしておくことが重要です。
このように、パワーアップの効果とコストのバランスを見極めながら、段階的にカスタムを進めていくことが、満足度の高いフルパワー化への近道といえるでしょう。
カスタム | 費用目安 | 燃費変化 |
---|---|---|
ECUチューン | 約15,000〜50,000円 | -0〜5%程度低下(走り方次第) |
ボアアップ | 約50,000〜100,000円 | 最大10〜15%低下 |
マフラー交換 | 約30,000〜80,000円 | -3〜7%低下(高回転使用時) |
フルパワー化の問題点と注意点(耐久性・車検・保証・法規制)
フルパワー化には多くのメリットがある一方で、慎重に検討すべき注意点も多く存在します。
まず第一に、エンジンにかかる負担が増加するため、パワーアップの代償としてエンジン各部の消耗が早まる可能性があります。
特に冷却性能や潤滑性能が追いつかないまま出力アップを行うと、熱ダレや焼き付きといった深刻なトラブルに繋がる恐れもあるため、オイル交換の頻度を見直す、冷却ファンやラジエーター性能の強化を行うなどの対策が必要になります。
また、CB125Rをフルパワー化する際には、純正状態からの改造となるため、ホンダの正規ディーラーで受けられる新車保証が無効になる可能性があります。
これはメーカーが保証対象とする範囲を超える仕様変更であるためで、トラブル時に無償修理を受けられなくなるリスクがある点に注意が必要です。
さらに、改造車両に対しては一部の保険会社が補償内容を制限するケースもあるため、加入中の任意保険の規約も確認しておくと安心です。
加えて、道路運送車両法や排出ガス規制、騒音基準などの法的制限もフルパワー化における大きな壁となります。
125ccクラスは車検の義務がないとはいえ、公道走行が前提である以上、違法改造と判断されないようにするためには、JMCA認証済みのマフラーを使用する、排ガス規制に対応したECUマッピングを行うといった対応が求められます。
また、車両整備が不十分であると整備不良として切符を切られる可能性もあるため、セッティング後の実走チェックや定期的なメンテナンスを怠らないことが大切です。
このように、CB125Rのフルパワー化には多くの魅力がある一方で、耐久性・保証・法規制といったさまざまな側面からの影響も十分に考慮し、計画的かつ合法的にカスタムを進めていく姿勢が重要です。
問題点 | 内容 | 対応策 |
---|---|---|
耐久性 | エンジン負荷増により消耗が早まる可能性 | オイル管理・補機類強化 |
保証の無効化 | 正規ディーラーでの保証が適用されなくなる可能性 | カスタム前に確認、社外保証の検討 |
法規制・車検非対応 | 排気音・排ガスなどの基準オーバーの可能性 | JMCA認定マフラー・合法パーツの使用推奨 |
CB125Rフルパワーカスタムの実例と比較

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注目の比較モデル・従来型との性能差
CB125Rのフルパワー化を検討する際、多くのユーザーが気になるのが「実際どれくらい性能が変わるのか」という点です。
CB125Rは、軽量かつスタイリッシュなネイキッドバイクとして高い人気を誇っていますが、国内仕様では法規制により本来のパフォーマンスがやや抑えられています。
そのため、「欧州仕様のようにもっとパワーを引き出せないか」という期待が、多くのライダーの間で高まっているのです。
参考になるのは、同系統エンジンを搭載した欧州仕様のCB125Rや、同じく高回転高出力型のCBR125R(海外仕様)です。
これらのモデルは基本的にエンジンのベース構造は同じで、シリンダーやヘッド構成、ミッションギア比なども近似していますが、ECU設定や吸排気系統の違いによって性能に明確な差が生まれています。
とくに欧州仕様のCB125Rは、環境規制が異なるためECUセッティングに余裕があり、最高出力は約15PSと、国内仕様の約13PSよりも2馬力ほど高い出力を発揮します。
この出力差は数字上はわずかに見えるかもしれませんが、125ccクラスでは大きな体感差となり、加速や高速巡航時の安定性、登坂時の余裕など、あらゆる走行シーンで優位性をもたらします。
また、CBR125Rはフルカウルスポーツモデルで、空力性能にも優れているため、同じ出力でも高速域での伸びやハンドリング特性が異なり、比較対象として非常に参考になります。
これらの比較を通じて、フルパワー化によるCB125Rの進化が、どれほど実用的かつ魅力的なものかを明確に理解することができるでしょう。
モデル | 出力(PS) | トルク(Nm) | 特徴 |
---|---|---|---|
CB125R(国内) | 約13PS | 約10Nm | 法規制により出力制限あり |
CB125R(欧州) | 約15PS | 約11Nm | ECU設定が異なり、性能を最大限に発揮 |
CBR125R(海外) | 約15PS | 約11Nm | スポーティなポジションと軽量ボディで俊敏 |
これらの比較から、フルパワー化によってCB125Rは中型バイクに近い走行フィールを実現できることが分かります。
人気のCB125Rカスタム事例とその魅力
フルパワーカスタムに成功しているオーナーたちは、単にパーツを交換するだけでなく、それぞれのバイクライフスタイルや用途に応じてカスタムの方向性をしっかりと定めたうえで、以下のようなポイントを意識したセッティングを行っています。
彼らはパワーアップとともに車両のバランスを崩さないよう、走行性能・快適性・メンテナンス性のすべてを考慮しながらカスタムを楽しんでおり、それが高評価に繋がっている要因でもあります。
具体的には、ECUのマッピングを走行シーンに合わせて最適化したり、ボアアップにあわせて強化クラッチや冷却系パーツを導入するなど、車両全体のコンディションを整える工夫を凝らしています。
見た目のカスタムにも力を入れる傾向があり、マフラーの素材や形状、バックステップのカラー、カウル類の質感まで細かくこだわることで、機能性とデザインの両立を実現しています。
このように、成功しているオーナーの多くは、計画的かつトータルバランスの取れたカスタムを実践しており、それぞれのパーツがどのように機能に影響するのかをしっかり理解したうえで選択しているのが特徴です。
事例1:ECU書き換え+BEAMSマフラー装着
- 走行フィール:スロットルレスポンスが向上し、特に信号待ちからの発進や低速域での加減速がスムーズに。街中での取り回しやアクセル操作に対する反応が格段に良くなり、ライディングがより楽しく、直感的な操作が可能に。
- 外観:ステンレス製のマフラーがもたらす光沢感により、ノーマル状態では得られない高級感を演出。さらにマフラー形状によってはスポーティな雰囲気やカスタム感が増し、見た目の存在感も大幅にアップする。
事例2:SP武川ボアアップキット+強化クラッチ
- 走行フィール:登坂性能が劇的に改善し、傾斜のある山道や坂道でもギアを落とさずスムーズに駆け上がれるようになった。全体的にパワーバンドが広がり、エンジンの出力に余裕があることで高速走行時の安定感も増し、風の抵抗が強い状況でも追い越し加速に余力が感じられる。高速道路での巡航も非常に快適になり、エンジンのストレスを感じにくくなった点が特に印象的。
- 注意点:燃費はやや低下しており、特に高回転域を多用する走行スタイルでは1Lあたり数キロの差が出ることもある。また、発熱量が増えることでエンジン温度が高くなりやすく、特に渋滞時や真夏の走行では冷却系への負担が増す。そのため、冷却対策として大容量ラジエーターや高性能クーラントの導入が推奨される。
事例3:吸気・排気系のトータルチューン(エアクリ+マフラー+ECU)
- 走行フィール:トルクバンドが広がり、全域で扱いやすさが大きく向上。発進から中速域、さらに高速域に至るまでパワーの繋がりが滑らかになり、シフトチェンジのタイミングにも余裕が生まれる。エンジンブレーキの効き具合もマイルドになり、ストップ&ゴーの多い市街地走行でもギクシャクしにくく、ライディングの快適性が高まる。
- 外観:社外マフラーのデザインや音質により、視覚・聴覚ともにカスタムバイクらしい存在感が演出される。インテーク部分のカスタムはあまり目立たない部分だが、性能向上と同時に細部まで手が入っていることを感じさせ、バイク全体の完成度が上がる。特に吸気音の変化やマフラーとの相乗効果で、ライディング中の高揚感もアップする点が魅力。
これらの事例から、自分の走り方や目的に合ったカスタムを選ぶことが重要であるとわかります。
フルパワー化後のデザイン・ホイール・ハンドルなど追加カスタム
パワーアップに合わせて、外観や操作性にも手を加えるライダーは少なくありません。
単に出力を上げるだけでなく、それに見合った見た目や乗り心地の最適化を行うことで、バイク全体の完成度がさらに高まります。
たとえば、軽量ホイールを装着することで加速・減速の応答性が良くなり、ハンドリングも軽快になりますし、セパレートハンドルやバックステップの導入によってスポーツ志向のライディングポジションに変えることができます。
また、視覚的な印象を大きく左右するフェンダーレスキットやLEDウインカー、タンクパッド、シートカバーのような外装パーツも人気があり、他のライダーと差をつけたい層にとっては欠かせない要素です。
これらのパーツは単に見た目を変えるだけでなく、空力特性の改善や軽量化にも貢献することがあります。
このように、外観・操作性のカスタムを取り入れることで、CB125Rは単なる通勤バイクやエントリーモデルの枠を超え、オーナーのこだわりが反映された“理想の1台”へと進化していきます。
カスタム部位 | 効果 | 備考 |
---|---|---|
ホイール | 軽量化によるハンドリング向上 | アルミ鍛造やカーボン製が人気 |
ハンドル | 操作性の改善、ポジションの変更 | セパハン化でスポーツライド感UP |
ステップ | バンク角の確保とニーグリップ性向上 | 調整式ステップがおすすめ |
フェンダーレス | リア周りが引き締まり、スポーティな印象に | LEDウインカーとセットが多い |
CB125Rフルパワー化のまとめと選ぶべきユーザータイプ

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こんなライダーにCB125Rフルパワー化がおすすめ
CB125Rのフルパワー化は、次のようなライダーに特におすすめです:
- 125ccで中型クラスに近い性能を味わいたい人:維持費を抑えつつも、限られた排気量の中で最大限のパフォーマンスを引き出したいと考えるライダーには理想的です。欧州仕様に近づけることで、加速感や最高速、スロットルレスポンスといった要素が格段に向上し、よりダイナミックな走行体験が得られます。
- 街乗りだけでなくツーリングにも使いたい人:都市部の移動ではコンパクトで取り回しの良さが活き、郊外では高速巡航時の余裕が生まれるため、1台で幅広い用途に対応したい人にとってベストマッチです。燃費と快適性を両立できる点もポイントです。
- カスタムを通じて自分らしさを表現したい人:CB125Rは外装・吸排気・操作系などパーツ選びの自由度が高く、見た目にも性能にもこだわりたい人にとっては絶好のベースマシンです。細部までチューニングすれば、自分だけの1台に仕上げられる楽しさがあります。
- 機械いじりが好きな人・学びたい初心者:フルパワー化は、簡単なパーツ交換から始めて徐々にスキルを身につけるプロセスにも適しており、DIYカスタムの入門用にも最適です。自分で手を加えることで、バイクへの愛着もより一層深まります。
初心者・ツーリング派・スポーツ志向別のカスタム提案
タイプ | 推奨カスタム構成 | 解説 |
---|---|---|
初心者向け | ECU書き換え+マフラー交換 | 費用・工数ともに少なく、効果が分かりやすく安全に始められる |
ツーリング派 | ECU+吸排気系+ラジエーター強化 | 高速域での快適性・冷却性能を重視 |
スポーツ志向 | ボアアップ+軽量ホイール+セパハン+バックステップ | トルクと操作性を高め、サーキットや峠走行も対応できる仕様に |
CB125Rフルパワー化で手に入る最高の走りと可能性
フルパワー化されたCB125Rは、125ccとは思えない軽快さと力強さを併せ持つ存在へと変貌します。
発進時の鋭いレスポンスや俊敏な加速、高速巡航時の余裕、街中でのキビキビとした挙動──これらすべてが大きく向上し、これまでの走行体験が別物に感じられるレベルに到達します。
特に、スロットル操作に対するエンジンの反応がシャープになり、走りの質そのものがワンランク上のものに進化します。
さらに、フルパワー化によってワインディングや峠道での走行もより楽しめるようになり、ライディングの幅が一気に広がるのも大きな魅力です。
加えて、ライダーの操作に対してバイクがよりリニアに応えてくれるため、乗っていて「思い通りに動いてくれる」感覚が味わえるようになります。
そして、自分好みにカスタムを加えることで、CB125Rは「ただの原付二種」ではなく、唯一無二のライディングパートナーに進化します。
マフラー、吸気系、ホイール、ハンドルなど、カスタムの自由度が高く、それぞれのライダーが求める性能や外観を具現化することが可能です。
車検が不要で維持費も安いため、所有コストを抑えつつ本格的なカスタムを楽しめるのは、CB125Rならではの大きな利点です。
通勤や街乗りはもちろん、週末のツーリングやワインディング走行、さらには自分で整備やパーツ選びを楽しむ趣味の延長としても活用できる汎用性の高さ──フルパワー化を通じてCB125Rの新たな可能性が広がります。
これからCB125Rを手に入れる方も、すでに乗っている方も。フルパワー化によって、CB125Rはあなたのライディングスタイルにぴったりの1台へと生まれ変わります。