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かつて「ブラックバード」の名で知られ、世界最速を目指して開発されたホンダのCBR1100XX。しかし近年では「不人気」「選ばれにくいバイク」といった評価も耳にするようになりました。なぜ、かつて憧れの存在だったCBR1100XXがそう言われるのか?
この記事では、CBR1100XXが“不人気”とされる理由を性能・デザイン・維持費・市場評価といった複数の視点から詳しく解説します。ただ単にネガティブな評価を列挙するのではなく、実際のユーザーの声や再評価されるポイントにも注目し、「本当のCBR1100XXの姿」に迫ります。
「気になってはいるけど不安がある」「なぜ人気がないと言われるのか知りたい」という方にこそ読んでほしい、CBR1100XXの真価を探る一記事です。
この記事のポイント
- CBR1100XXが「不人気」と言われる主な理由
- 他モデルと比較した性能やデザインの特徴
- ユーザーが感じている不満点や故障傾向
- 中古市場やカスタム事情、維持費の実情
- 再評価されつつあるポイントと今後の価値
CBR1100XXが不人気な理由とは
まずは、CBR1100XXが「不人気」と言われる背景を簡単にまとめます。
●デザインの古さ・重厚感が“ダサい”と評価されがち
●ライバル車(ハヤブサ、ZZR)との比較で影が薄くなった
●中古市場でのメンテナンス不安・故障リスク
●維持費や燃費がツアラーとしては重く感じられる
●若年層にアピールしづらい“渋すぎる”イメージ
これらを踏まえながら、以下で各要素をより詳しく解説していきます。
かつて「ブラックバード」と呼ばれたホンダの名車CBR1100XXは、1990年代後半に登場し、当時としては驚異的な性能を誇るスポーツツアラーとして世界中のライダーから注目を浴びました。特に、その時代では異例のトップスピードと快適なロングツーリング性能の両立は、ツーリング愛好者やハイスピード志向のユーザーから高く評価されていました。
しかし、時代の移り変わりとともに他社から登場したライバルモデルとの比較や、技術進化の波に乗り遅れたこと、さらにはデザインや維持コストに対するユーザー評価などが影響し、現在では"不人気"と見なされることも増えてきています。実際、若い世代のライダーの間では、その大柄な車体や独特の見た目が敬遠されがちであり、購入対象から外されるケースも少なくありません。
本記事では、CBR1100XXがなぜこうした評価を受けるようになったのか、その背景や原因を明らかにするために、主に「性能」「デザイン」「コスト」の3つの観点から詳しく掘り下げ、かつての名車が現在どのような立ち位置にあるのかを再評価していきます。
CBR1100XXの持病と故障の歴史

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CBR1100XXには特定の年式において顕著に見られる電装系トラブルがあり、特にレギュレータの不良や発電系統の故障といった問題が報告されています。これらのトラブルは、日常使用の中では突然発生することがあり、ツーリング先でのトラブル対応が必要になるなど、ユーザーにとって大きな負担となります。また、レギュレータ故障に起因するバッテリー上がりや過電流による配線焼けなど、二次的な故障を招くこともあり、修理費が嵩むこともしばしばです。
さらに、中古車市場に出回っているCBR1100XXの多くは年式が古いため、整備履歴やパーツの交換履歴が不明確な車両も多く、購入者がそれらを把握せずに購入してしまうと、購入後すぐに高額な整備費用がかかる可能性があります。特にバイク初心者や整備に不慣れなライダーにとっては、大きなリスクとなりうるため、結果として「避けたいバイク」としての印象が定着してしまうのです。
このような信頼性に対する不安感が、CBR1100XXが不人気とされる要因のひとつとして広く認識されており、購入をためらわせる決定的な材料となっているのです。
CBR1100XXの維持費とコスト比較
CBR1100XXは重量級の大型バイクであり、その構造上、多くの部品が頑丈かつ大型に設計されているため、定期的に交換が必要な消耗品のコストも高くなります。具体的には、タイヤはスポーツツアラー特有のハイグリップかつ耐久性の高いものが必要となり、前後セットでの交換費用も他の中型バイクに比べて割高です。ブレーキパッドやディスクローターも摩耗が早く、重量のある車体をしっかり止めるために、高性能なパーツを選ばなければならず、その分コストがかかります。
さらに、ドライブチェーンやスプロケットなどの駆動系部品も、トルクが大きいCBR1100XXでは摩耗が早く、定期的なメンテナンスと部品交換が不可欠です。こうした維持にかかる費用が積み重なり、トータルのランニングコストは決して安くありません。また、燃費も14〜18km/L程度と、現代の燃費重視型スポーツツアラーと比べるとやや劣る数値であり、燃料費も含めた維持コストに大きく影響しています。
任意保険料についても、大排気量車であることや年式の古さからくる事故リスク評価により、比較的高めに設定される傾向があります。重量税や自賠責保険、車検費用など、法的な維持費も当然ながら一定以上かかるため、結果としてCBR1100XXは経済的負担が大きく感じられるバイクと認識されやすく、不人気とされる一因にもつながっているのです。
CBR1100XXの中古市場とレッドバロンの影響
中古市場では流通しているCBR1100XXの台数が限られており、特に事故歴がなく状態の良い個体は希少価値が高まってきています。そのため、そうした良質な車両にはプレミア価格が付く傾向があり、手頃な価格での入手が難しくなりつつあります。加えて、走行距離が少ないモデルや、前オーナーがこまめに整備していた履歴のある車両は、特に競争率が高く、購入までに時間と労力を要することもあります。
また、レッドバロンをはじめとした大手中古バイク販売店では、販売網が広く全国展開しているものの、各店舗によって整備の質にばらつきがあるという声も散見されます。特に古いモデルであるCBR1100XXの場合、メーカー純正部品の在庫が少なくなってきており、修理やメンテナンスの際に社外品や中古パーツで代用せざるを得ないケースも増えています。
このように、購入後のアフターサポートにおける信頼性や部品供給の安定性に不安を感じるユーザーは少なくなく、安心して長期間乗り続けられるかどうかに疑問を抱く人も多いのが現実です。こうした点もCBR1100XXの人気が伸び悩む要因のひとつとして見過ごせない部分であると言えるでしょう。
CBR1100XXのデザインとスタイルの評価

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CBR1100XXのデザインはダサいのか?
1990年代らしい流線型デザインは、当時のトレンドを色濃く反映した造形であり、空力性能と高速安定性を意識した滑らかなフォルムが特徴です。しかし、現代においては直線的でシャープなデザインやLEDを活用した近未来的なスタイルが主流となっており、それと比較するとCBR1100XXの外観は「古臭い」「丸みが強くて重たい印象」と評価されることがあります。
特に若年層のライダーからは、現代的なスタイリッシュさに欠けるという理由から「オジサンバイク」と揶揄されることもあり、その結果として見た目だけで購入候補から外れてしまうケースも少なくありません。また、カラーバリエーションやグラフィックも現代モデルと比べて地味に映ることが多く、バイクをファッションアイテムや自己表現の手段として考える層には、魅力が伝わりにくい側面もあります。
こうしたビジュアル面でのギャップは、年齢層や好みの違いによって大きく左右され、結果としてCBR1100XXが若いライダーから敬遠されやすい傾向にあることが、不人気とされる一因にもつながっているのです。
ユーザーのクチコミから見るデザインの印象
とはいえ、一部のファンからは「無骨で本格派」「あの重厚感が好き」といった声も根強く、CBR1100XXの持つクラシカルな雰囲気や硬派なイメージに魅力を感じている人も多くいます。特に、90年代のバイクデザインに愛着を持つライダーや、あえて最新の流行から一線を画したモデルを選びたいという個性派ライダーにとっては、CBR1100XXの存在感は他にはない価値となっています。
その重厚なボディラインや落ち着いたカラーリング、そして過剰な装飾のないシンプルなスタイルは、「男らしさ」や「職人気質」といったイメージとも結びつきやすく、現代のバイクでは味わえない無骨さや安心感を提供してくれると評価されています。また、デザインに対しても「時代を超えた美しさがある」「派手さよりも機能美を重視した姿勢が良い」といった、価値観の異なる視点から支持を集めています。
こうした声に見られるように、CBR1100XXのデザインは一概に“ダサい”と片付けられるものではなく、懐かしさやレトロ感を好む層、そして「通好み」の世界観を理解するユーザーには、現在でも一定の人気を維持しており、根強いファン層に支えられ続けているのです。
CBR1100XXと他モデルのデザイン比較
ライバル車であるスズキのハヤブサやカワサキのZZR1400などは、いずれもより近未来的なデザインとカラーリングが特徴的で、アグレッシブで攻撃的な印象を与える外観を持っています。例えばハヤブサは、その流線型でありながらも鋭角的なシルエットと大胆なグラフィックで知られており、登場以来常に強烈な個性を放ってきました。ZZR1400に関しても、筋肉質で重厚なボディとテールまわりの造形により、スピードとパワーを視覚的にアピールするデザインが特徴です。
それに対してCBR1100XXは、シンプルかつ実直なデザインを貫いており、無駄な装飾を排した機能的な外観が基本となっています。この落ち着いたデザインは、特に大人のツーリングユーザーには高く評価される一方で、ビジュアル的なインパクトや最新感を重視するユーザーにとっては「地味」「古臭い」と感じられる可能性があります。
また、カラーバリエーションの展開やグラフィック処理も抑えめで、全体的に渋い印象があるため、ショールームなどで並べられた際にハヤブサやZZRのような派手さには欠けるという指摘もあります。視覚的な派手さや存在感を重視するユーザーにとって、CBR1100XXは魅力がやや薄れてしまう傾向があり、デザイン面でライバル車と比べて評価が分かれやすい点が、不人気の一因と見られることがあります。
CBR1100XXの性能と走行特性

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エンジン性能と加速の実測データ
CBR1100XXは1137ccの水冷直列4気筒エンジンを搭載しており、当時としては非常に高性能なユニットでした。最高出力は164馬力を発揮し、ゼロヨン加速では10秒台前半という驚異的な実力を持ち、1990年代後半においては「世界最速」の称号を冠されたこともあるモデルです。この高出力エンジンは、回転域全体で滑らかで扱いやすい特性を持ち、低速域から中速域、さらには高速域に至るまで、非常にリニアな加速感を提供してくれます。
加えて、ツーリング用途においても疲れにくいトルク特性が魅力で、アクセル操作に対する反応も非常に素直でコントロールしやすく、街乗りから高速巡航、ワインディングまで幅広いシーンで安心して走行できるバイクです。そのトルクの太さと力強い加速力は、現在のバイクと比較しても見劣りしないレベルにあり、いまだに多くのライダーを魅了し続けています。
エンジンの耐久性も高く、定期的なメンテナンスを行えば非常に長持ちする点もCBR1100XXの隠れた長所の一つです。そのため、現存する個体の多くが高走行距離にもかかわらず良好な状態を保っており、「乗れば乗るほど味が出るエンジン」として評価されています。
燃費と運転快適性のレビュー
長距離走行では車体の重さがむしろ安定感につながり、風に流されにくいことや、エンジンの鼓動感とあいまって快適な巡航性能を発揮します。特に高速道路や幹線道を長時間走行するようなシーンでは、路面のギャップや風の影響を受けにくく、落ち着いた走りが楽しめるという利点があります。そのため、長距離ツーリングでは疲労感が軽減され、ライダーの安心感にもつながります。
一方で、市街地走行や短距離移動においては、この重さがネックになることもあります。取り回しの重さはときにストレスとなり、信号待ちや低速でのUターン時などでは体力を要する場面も少なくありません。加えて、ポジションがやや前傾気味なこともあり、街中では扱いづらさを感じるという声が一定数存在します。
燃費に関しては、前述の通り14~18km/L程度と、現代の最新バイクと比較すると特別優れているとは言えず、燃費性能を重視するユーザーからすると選択肢に入りにくい面があります。特にガソリン価格が高騰している現在においては、日常的に乗るユーザーにとって燃費性能は重要なポイントとなるため、その点においてCBR1100XXはやや不利な立場にあると言えるでしょう。
高速走行時の安定性とハンドリングの評価
一方で、高速道路での直進安定性とハンドリングの滑らかさは非常に高く評価されており、特に長距離ツーリングの場面では、他のバイクではなかなか味わえない快適性と安心感を提供してくれます。CBR1100XXの重厚な車体構造は、高速走行時における安定した挙動を可能にし、路面のうねりや横風などによる影響をしっかりと吸収してくれるため、ライダーは常に余裕を持ったライディングができるのです。
また、前方のカウル形状は空力特性に優れており、ヘルメットや上半身への風圧を最小限に抑える設計がなされています。この結果、長時間の巡航でも疲れにくく、走行風による体力の消耗を大きく軽減してくれるのが特徴です。さらに、ステアリング操作も非常にスムーズで、車体の重さを感じさせないほどナチュラルなハンドリングを実現しています。
特に直線路の多い高速道路では、まるで線路の上を滑るように走る安定感があり、路面の継ぎ目やわずかな段差も巧みにいなしてくれる懐の深さがあります。このように、高速巡航における安心感と快適性のバランスにおいて、CBR1100XXは非常に優れたツーリングバイクとしての実力を今なお発揮しているのです。
CBR1100XXのカスタムとパーツ供給

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カスタムの自由度と専門店の存在
CBR1100XXはカスタムベースとしても根強い人気を誇り、特にマフラー、サスペンション、ハンドル周り、ステップ、シート、スクリーンなど、多岐にわたる社外パーツが流通しています。ツーリング志向の快適装備だけでなく、よりスポーティな走行性能を追求するユーザーにも応えられる柔軟性があり、自分好みの一台へと仕上げる楽しさが詰まった車種です。
とくにエキゾーストシステムは、サウンドチューニングや性能向上を目的に多くのユーザーが交換しており、アクラポビッチ、ヨシムラ、モリワキなどの老舗ブランドから専用設計のスリップオンやフルエキゾーストが提供されています。さらに、リアサスペンションの強化やプリロード・伸び・圧ダンパー調整が可能なアフターパーツにより、積載時やタンデム時の安定感を高めるセッティングも可能です。
ただしCBR1100XXは1990年代後半に設計された車種であり、電子制御サスペンションやスマートECUといった現代バイクが持つ高機能には非対応です。そのため、セッティングやカスタムはあくまで機械的なアプローチが主体となり、調整にはある程度の整備知識や経験が求められる場面も多くなります。
CBR1100XXに特化したショップは全国的に減少傾向にあるものの、熟練メカニックが在籍する老舗店では今もなお信頼性の高いカスタムサービスが提供されています。エンジンチューニングやサスペンションセッティングなど、専門知識を持つ職人の手による施術が受けられることは、長年のファンにとって非常に大きな安心材料と言えるでしょう。
さらに、ネット上ではYahoo!オークションやメルカリ、バイクパーツ専門の通販サイトを通じてCBR1100XX専用パーツが全国に流通しており、情報収集もSNSや掲示板を通して活発に行われています。こうしたオンライン環境により、カスタム初心者でも先人の知見を活かしながら自分だけのスタイルを構築していくことが可能で、CBR1100XXが「育てがいのあるバイク」と評されるゆえんでもあります。
部品供給の難易度とその影響
CBR1100XXは長らく生産が終了しているため、純正部品の供給体制は年々厳しくなってきています。ブレーキパッドやオイルフィルターなどの汎用性が高い消耗品は今なお供給されていますが、特有の形状を持つ外装パーツ、樹脂製のサイドカウル、ウインカー、メーターパネル、ステー類などは純正新品の入手が困難で、プレミア価格がつくケースもあります。
このため、車両の修理やレストアにあたっては、部品取り車からの流用や社外パーツの適合確認、3Dプリンターやワンオフ製作による対応を余儀なくされることもあり、特に初めて旧車を扱うユーザーにとっては心理的・金銭的負担が大きいものとなっています。
さらに、修理やメンテナンスを依頼できる整備工場が限られている点も、所有ハードルの一つです。現行車の整備が中心の店舗では対応を断られることもあり、整備の相談先を事前に確保しておく必要があります。このような部品供給と整備体制の脆弱性が、CBR1100XXを「維持しにくいバイク」として印象づける要因の一つとなっており、中古市場での人気がやや伸び悩む理由にもなっています。
それでも、熱心なオーナーたちは部品の共通性や代替性を調べ、海外から輸入するなどの工夫を重ねながら維持している実情もあり、このバイクを所有・継続するという行為そのものが一種の情熱や誇りとして機能しているとも言えるでしょう。
ユーザーが選ぶ人気のカスタムパーツ
CBR1100XXのカスタムパーツで特に人気があるのは、社外製のスリップオンマフラー(軽量化と音質向上)、リアショック(乗り心地と操縦性向上)、LED化キット(ヘッドライト・テールランプなど)などが挙げられます。これらは単なるドレスアップ目的ではなく、実用性や安全性の向上という観点からも支持されており、多くのユーザーの定番カスタムとして根付いています。
加えて、ハンドルやステップといったポジション変更パーツによるライディングポジションの最適化、ロングスクリーンやゲルシートの導入による長距離走行時の快適性向上など、使用目的や体格に合わせたカスタマイズが可能です。
さらに、USB電源ポートやスマートフォンホルダー、ETC車載器の取り付けといった現代的な実用装備も導入されることが多く、年式の古さを感じさせない機能性へと進化させている点も、多くのライダーに支持されている理由の一つです。
CBR1100XXの価格推移と高騰

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新車と中古の価格差と流通状況
CBR1100XXはすでに新車での販売が終了しており、現在市場に出回っているのはすべて中古車となります。登場当初は比較的手ごろな価格で取引されていましたが、近年は状態の良い車両が希少になってきており、価格が徐々に高騰しています。
とくに、低走行距離かつ整備履歴が明確なワンオーナー車や、フルノーマル状態のオリジナル車両は高値で取引される傾向にあり、購入希望者との競争も激しくなっています。一方で、過走行や外装の傷みが目立つ個体については、比較的安価で入手可能ではあるものの、整備や修復にかかる費用を含めると結果的に高額になるケースも珍しくありません。
中古市場では、ショップによる整備保証の有無、カスタム内容、付属パーツの有無などによっても価格差が大きくなるため、購入時には総合的なコストを見極めることが重要です。
価格高騰の要因と将来性
CBR1100XXの価格が上昇傾向にある主な理由としては、以下のような要素が挙げられます:
- 生産終了による供給の減少
- 高性能エンジンと安定した走行性能への再評価
- 海外マーケット(特に欧州・北米)での需要増加
- ネオクラシックブームによる旧車再評価の波
特に欧州では、ツアラー性能と直列4気筒の滑らかさを併せ持つ車両が人気を博しており、CBR1100XXはその代表的なモデルのひとつとして再評価されています。国内からの輸出も進んでおり、国内在庫の減少も価格高騰に拍車をかけています。
将来的にも一定の希少価値を保つ可能性は高く、良好なコンディションを保った車両は「資産」としての側面を持つようになるかもしれません。ただし、先述の通り部品供給や整備体制の問題も抱えており、資産価値としての保持には相応の手間と知識が必要となります。
CBR1100XXに対する人気のランキング
国内外のバイク評価サイトやレビューランキングにおいて、CBR1100XXは「知る人ぞ知る名車」「成熟した大人のスポーツツアラー」として高評価を得ることが多いものの、一般的な人気ランキングでは現行の最新モデルに比べるとやや存在感に欠ける傾向があります。
とはいえ、スポーツツアラーというカテゴリーにおいては今も根強い人気を保っており、特に中高年層や昔からのホンダファンの間では“唯一無二の存在”と評価されています。また、バイク雑誌や専門誌による「名車特集」などでも頻繁に取り上げられており、その完成度の高さと実用性の両立は今も語り草です。
ランキングこそ上位常連ではないものの、マニアックなファン層によって支えられている点、そして今なお実用車として現役で走っている個体が多い点からも、CBR1100XXは「不人気」と言われながらも独自の評価軸を確立しているといえるでしょう。
CBR1100XXとホンダのブランド力

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ホンダブランドとCBRシリーズの関係
ホンダは長年にわたり高性能スポーツバイクを多数輩出してきた日本を代表するバイクメーカーであり、CBRシリーズはその象徴ともいえる存在です。CBRの名を冠したモデル群は、サーキットでの速さと市街地での扱いやすさを両立する“万能型”の印象が強く、世界中で高い評価を受けています。
CBR1100XXは、このCBRシリーズの中でも特異な存在であり、ツアラー寄りの設計思想を持ちながらも、当時世界最速を目指して開発された異色のモデルです。ホンダの技術力の高さを示す象徴的な存在であり、他のCBRモデルがサーキット志向なのに対して、CBR1100XXは「高速長距離移動」に特化した機体といえます。
ホンダの他モデルとの比較
ホンダの他の大型バイクと比較しても、CBR1100XXはその立ち位置がやや異なります。たとえばCBR1000RRは純粋なスーパースポーツ、CB1300SFはネイキッドツアラー寄りといったように、明確なカテゴリがある中で、CBR1100XXは「スポーツツアラー」という中間的な存在です。
また、同じくホンダのVFRシリーズと比較されることもありますが、VFRがV4エンジンによる独特のフィーリングと電子制御装備を推しているのに対し、CBR1100XXは直列4気筒のスムーズな回転感と徹底した直進安定性を武器にしています。これは、ツアラーとしての快適性を重視した設計思想の違いによるもので、まさに「CBRでありながら異端児」といった個性を放つモデルです。
CBR1100XXの位置付けと影響力
CBR1100XXは、当時としては非常に挑戦的なバイクであり、ホンダが「世界最速」の座を狙って投入したモデルです。その開発背景には、スズキ・ハヤブサやカワサキ・ZZRなどとの速度競争が存在し、まさに“スピード戦争”の最前線にいたバイクといえます。
現在でこそハヤブサやZZRにその地位を譲ってはいるものの、CBR1100XXが与えたインパクトや設計思想は、後の大型スポーツツアラー市場の形成に大きな影響を与えました。また、CBR1100XXの登場により、ツーリング性能とハイパフォーマンスが共存可能であるという新たな価値観が生まれたともいわれています。
そのため、CBR1100XXは単なる一モデルではなく、「ホンダが本気を出した結果生まれた異端の名車」として、バイク史に確かな存在感を残しているのです。
CBR1100XXに対するユーザーの不満点

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一般的な不満とその原因
CBR1100XXに対するユーザーの不満として最も多く挙げられるのは、その重さと取り回しの悪さです。特に街乗りや低速走行では車体の重さが顕著に感じられ、Uターンや駐車場での移動に苦労するという声が目立ちます。また、ハンドル切れ角も比較的狭いため、取り回しに慣れるまで時間がかかるという意見もあります。
そのほか、前傾気味のライディングポジションによる疲労感、燃費の悪さ、古さを感じさせるアナログなインターフェースなどが挙げられます。これらは時代の流れによる価値観の変化とも言えますが、現代のユーザーにはマイナス要素として受け取られることも少なくありません。
故障率と交渉材料
CBR1100XXは基本的に耐久性の高いエンジンと車体設計を持っているものの、年式が古くなってきていることから、経年劣化による電装トラブルやゴムパーツの劣化は避けられません。レギュレータの故障、フューエルポンプの不調、ステータコイルのトラブルなどは定番の弱点として知られており、中古購入時の価格交渉におけるポイントにもなっています。
また、これらの不具合は前オーナーの整備状況によって大きく左右されるため、購入時にメンテナンス履歴をしっかり確認することが重要です。
CBR1100XXの魅力に対する反応
とはいえ、CBR1100XXに対して不満を感じる一方で、「乗ってみると想像以上に快適だった」「思っていたよりも扱いやすい」というポジティブな声も少なくありません。とくに長距離ツーリングでの安定感や、高速巡航時の風防性能には多くのユーザーが満足しています。
このように、不満点はあるものの、それを上回る魅力を持っているという評価が根強く、乗り手によってその印象は大きく変わるバイクであることがわかります。
CBR1100XXの試乗会と製品レビュー

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試乗会の反響とユーザーの体験談
CBR1100XXは登場当時から多くの試乗会やイベントで注目を集めてきました。参加者からは「加速が滑らかで怖さを感じない」「車体の大きさに反して意外と素直に動く」といった好意的な声が多く寄せられています。
一方で、「取り回しが大変」「熱がこもりやすく夏場はつらい」といった現実的な指摘もありました。こうした体験談は実際の所有者にも参考になりやすく、購入を検討しているライダーにとっては貴重な判断材料となっています。
メディア評価とレビューまとめ
バイク雑誌や専門メディアのレビューでもCBR1100XXは「異端の名車」「ハイスピードツアラーの完成形」などと高く評価される一方、重さや古さをマイナス点として挙げる例もあります。しかし全体としては、性能と快適性のバランスを称賛する声が多く、特に高速巡航での走行安定性や疲れにくさは現在でも他車と比べて高水準にあります。
CBR1100XXの印象を変える試乗体験
試乗体験を通してCBR1100XXの印象が大きく変わったという声も多く、「見た目で判断していたが、実際に乗るととても快適だった」「もっと早くこのバイクに出会いたかった」といった感想が見られます。
特に現代の電子制御バイクに慣れたライダーにとっては、CBR1100XXのアナログなフィーリングが新鮮に感じられることもあり、「操作する楽しさ」を再発見するきっかけにもなっているようです。
このように、試乗会やレビューを通じてCBR1100XXの魅力が再認識されることで、今後の人気回復につながる可能性も期待されています。
まとめ:CBR1100XXが不人気と言われる理由とその裏側

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CBR1100XXが「不人気」と言われる背景には、重さや取り回しの悪さ、古さを感じる装備や故障リスク、部品供給の難しさなど、複合的な要因が絡んでいます。特に若年層にとっては、見た目の古さや電子制御の非対応といった面がマイナス要素として映ることが多く、現代のバイクと比べると選ばれにくいのが実情です。
しかしながら、その一方でCBR1100XXは今なお多くの熱心なファンを持ち、性能・快適性・信頼性において高く評価されていることも事実です。特に長距離ツーリング性能においては他の追随を許さないレベルにあり、「古いがゆえの良さ」を持つ希少なモデルでもあります。
再評価される理由と今後の展望
近年ではネオクラシックブームや旧車人気の再燃により、CBR1100XXのような90年代後半の名車が再注目されています。電子制御に頼らず、あくまでライダーの腕と感覚で操る楽しさは、現代バイクにはない魅力です。
また、海外市場ではすでに再評価の動きが進んでおり、欧州や北米では希少なツアラーとして輸出が進んでいます。この流れは日本国内にも波及しており、近い将来「名車」としてその価値がさらに高まる可能性もあるでしょう。
CBR1100XXは、万人に勧められるバイクではありません。しかし、理解し乗りこなせば、ライダーにとってかけがえのない一台となるポテンシャルを秘めた、まさに“知る人ぞ知る異端の傑作”なのです。