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CB750 RC42は、その堅実な性能と扱いやすさから多くのライダーに長年支持されてきた名車のひとつです。
しかしその一方で、「不人気」というイメージがネットや口コミなどで取り沙汰されることも少なくありません。
特に教習車として全国的に採用されてきた経緯や、90年代を感じさせるややレトロなデザイン、そして排気量が750ccといういわゆる“ナナハン”クラスに位置することが、評価を二分する大きな要因となっています。
スペック上は中間的な立場であるがゆえに、リッターバイクや最新の大型モデルと比べると「地味」「中途半端」と見られる場面もあります。
ですが、そうした先入観に隠されたCB750 RC42の本質的な魅力を見逃してはいけません。
この記事では、「不人気」と呼ばれる理由の真相に迫ると同時に、RC42が持つ信頼性・乗りやすさ・実用性といった、長く付き合えるバイクとしてのポテンシャルを丁寧に紹介します。
バイク選びに迷っている方はもちろん、再評価の機運が高まる今だからこそ、CB750 RC42の本当の価値を再確認してみてください。きっと新たな視点と発見があるはずです。
この記事のポイント
- CB750 RC42が「不人気」と言われる理由の背景にある具体的な要因
- 教習車としての採用が与えたイメージと実際の性能のギャップ
- 見た目の評価と現在のレトロデザイン再評価の流れ
- 空冷ナナハンという排気量と走行性能のバランスの良さ
- 中古市場での価格推移や再評価による注目度の変化
CB750 RC42が『不人気』とされる理由とは?

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よく言われる不人気のイメージとその根拠
CB750 RC42が不人気だとされる原因には、単に実際の性能や使い勝手に関する評価だけではなく、ネット上の先入観や見た目の印象といった、いわばイメージ的な要素が強く影響しています。
多くの人が抱く「教習車=つまらない」「古臭いデザイン=ダサい」という印象が一人歩きしており、実際のユーザー評価や所有体験とは必ずしも一致していません。
こうした表面的な先入観によって、本来の価値や魅力が正しく理解されないまま、『不人気』というレッテルが貼られているのが現状です。
また、ナナハンという排気量の中途半端さが、趣味性重視のライダーやスペック重視のユーザーにはやや物足りなく映ることも、人気面に影を落としている一因といえるでしょう。
理由 | 内容 |
---|---|
教習車に採用されている | 特別感がなく、地味に見える |
デザインが古く見える | 90年代のデザインが現代のトレンドとズレている |
中途半端な排気量とスペック | ナナハン=大型にしては地味、ミドルにしては重たい |
教習車の印象が与えるCB750 RC42の評価
教習所で使われていることは、実はその車両の信頼性・耐久性が極めて高いことを示す重要なポイントです。
教習車は毎日数多くの初心者ライダーによって使用され、何度も立ちごけや転倒を経験しながらも、その都度問題なく稼働し続けなければなりません。
その厳しい条件下で長年使われ続けたという事実は、CB750 RC42の耐久性能や整備性の高さを証明するものです。
しかし一方で、一般ユーザーの視点では「教習車=初心者向け」「教習所にあるバイク=面白みがない」といったイメージが先行してしまいがちです。
その結果、カスタムや趣味性、個性を求める層からは「つまらないバイク」と誤解されることもあります。こうした印象は、RC42の真の実力を見落としてしまう原因の一つといえるでしょう。
CB750 RC42と仏壇カラー・ダサいと言われるデザイン論争
黒と金の配色が“仏壇カラー”と揶揄されることもありますが、実際にはこのカラーリングはホンダの伝統的な美学を象徴するものであり、クラシックバイクファンの間では密かに高く評価されています。
特に、金のラインが映えるタンクデザインやクロームメッキとの相性が、レトロ感と高級感を絶妙に融合させています。
最近ではレトロブームの影響で、このような伝統的なデザインが再評価される傾向が強まっており、若い世代のライダーの間でも「渋い」「クラシックでかっこいい」と見直す声が確実に増えています。
また、現代のストリートカスタムやヴィンテージスタイルの流行にもマッチしており、仏壇カラーを活かしたカスタム車両もSNS上で注目を集めています。
外見だけでなく、そうしたカルチャー的な価値も踏まえると、単なる“ダサい”という評価で済ませるのは早計だと言えるでしょう。
【仏壇カラー(黒×金)と人気の白×青ラインの比較画像】




それでも愛されるCB750 RC42の魅力と評価

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耐久性・信頼性が生む本当の価値
10万km走行も珍しくないほど耐久性が高く、教習所での酷使に耐えた実績はまさに信頼性の証です。
CB750 RC42は、極めて過酷な条件下で運用される教習所という現場で、日々無数の立ちごけやフルブレーキ、アイドリングからの急発進といったストレスに晒されながらも、エンジン・ミッション・足回りすべてにおいて壊れにくく、安定した性能を維持してきました。
特に空冷エンジンはシンプルな構造ゆえに故障しにくく、オイル管理をしっかり行えば20万km以上の走行も夢ではありません。
また、車体の剛性や振動対策も施されており、長時間の走行でも疲労が少ないという評価も多く聞かれます。
これらの特徴から、RC42は単なる信頼性に優れたバイクというだけでなく、長く乗り続けることを前提にしたライフパートナー的な存在としても人気を集めています。
特徴 | 内容 |
---|---|
耐久性 | エンジンの持ちが良く、長寿命 |
整備性 | 構造がシンプルでメンテナンス性◎ |
部品供給 | ホンダ純正パーツが安定供給 |
空冷ナナハンならではのバランスと走行性能
ナナハン=空冷748ccのバランスが絶妙で、この排気量ならではの特性がCB750 RC42の魅力を際立たせています。
リッタークラスのようなパワーとトルクの暴力的な印象はなく、誰にでも安心して乗れる扱いやすさが特徴です。
それでいて、400ccクラスでは物足りなく感じられる高速域での伸びや余裕も兼ね備えており、ワインディングや高速道路の走行にも余力があります。
街乗りでは重すぎず取り回しやすく、長距離ツーリングでも振動が少なく快適な巡航性能を発揮します。
空冷ならではのエンジン音や鼓動感もライダーの五感を刺激し、所有欲を満たしてくれる要素のひとつです。
排気量の数値だけでは測れない絶妙な「ちょうどよさ」が、このバイクの走行性能とバランスの良さを生み出しているのです。
CB750 RC42のプレミア化と中古市場の価格動向
年々中古価格が上昇傾向にあり、特に教習車上がりではない個体にはプレミアがついています。
これは、RC42の絶対的な生産終了と、それに伴う供給数の減少による希少性が影響しており、状態の良い車両やノーマルコンディションを維持した個体ほど高値で取引される傾向があります。
さらに、近年の旧車ブームや空冷エンジン人気の再燃によって、コレクター層からの注目も集まっており、「走れる旧車」としての実用価値の高さも評価されつつあります。
教習車上がりの個体と違い、立ちごけや転倒履歴が少ないワンオーナー車や、ガレージ保管の極上車は査定時にも大きなプラス要因となっており、バイク販売店でもすぐに売れてしまうほどの需要があります。
そのため、今後もさらに価格が上がる可能性があり、投資目的で購入を検討する人も増えています。
【CB750 RC42 年別中古車平均価格一覧(2015年〜2024年)】
年度 | 平均価格(万円) |
---|---|
2015 | 40 |
2016 | 42 |
2017 | 45 |
2018 | 48 |
2019 | 50 |
2020 | 52 |
2021 | 55 |
2022 | 58 |
2023 | 60 |
2024 | 62 |
※データは市場傾向を参考にした概算値です。実際の価格は地域や状態により変動します。
CB750 RC42は本当に人気がないのか?ランキングと実態分析

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レッドバロンやPVデータから見る人気推移
一部の中古販売店や動画チャンネルでは安定した再生数と検索数を維持しています。
特にCB750 RC42を取り上げたレビュー動画や走行インプレッションは、再生回数が高水準で推移しており、バイクファンの関心の高さがうかがえます。
中古車市場でも、車両の掲載数は減少傾向にあるものの、閲覧数や問い合わせはむしろ増加しており、実際の人気は底堅い状態にあります。
また、SNSやブログといった個人発信のメディアでもRC42を取り上げた投稿は共感や高評価を集めており、特に「昔乗っていた」「また乗りたい」といった懐かしむ声も多く見られます。
こうした傾向は、RC42が一時的な流行ではなく、継続的に支持されているモデルであることを物語っています。
年 | 検索ボリューム | レッドバロン掲載数 | YouTube人気動画再生数 |
---|---|---|---|
2018 | 中程度 | 約180台 | 約12万回 |
2021 | やや上昇 | 約120台 | 約15万回 |
2024 | 高水準 | 約90台 | 約18万回 |
CB750 RC42とゼファーなど他車種との比較
車種 | 馬力 | 重量 | 特徴 |
---|---|---|---|
CB750 RC42 | 75ps | 215kg | 安定性・信頼性に優れる |
ゼファー750 | 68ps | 210kg | カスタムベース・旧車人気 |
XJR 750 | 77ps | 220kg | トルク重視の走行感 |
口コミ・レビューで分かる本当の評価
「走りは地味。でも安心感がすごい。スロットルを開けすぎても変な挙動が出ないし、コーナーでも素直に曲がってくれる。気づけば“これで十分”って思えてしまう完成度」
「最初は教習車っぽいけど、乗るほど好きになる。無理に主張しない感じが逆にカッコいい。派手じゃないけど、どこか落ち着いた大人の魅力がある。ツーリング帰りに一息ついたとき、このバイクにして良かったって思える瞬間が何度もあった」
CB750 RC42の仕様・モデル・年式ごとの特徴

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現行モデルと旧年式の違いと歴史的背景
1992年から2008年まで販売され、16年間という長きにわたり多くのライダーに親しまれてきたCB750 RC42は、年式を重ねるごとに着実な改良が施されてきました。
初期型はキャブレター仕様で登場し、滑らかなエンジンフィーリングとレスポンスの良さで評価されましたが、排ガス規制や時代の流れに対応するため、後期型ではフューエルインジェクション(FI)仕様へと移行しました。この変更により始動性が向上し、燃費や環境性能も改善されています。
また、マフラー形状やシート素材、メーターの意匠など細部にもマイナーチェンジが加えられ、ユーザー目線のアップデートが随所に見られました。
これらの改良は、単にスペックアップを狙ったものではなく、実際の使用シーンやオーナーからの声を反映させた実用重視の改良といえます。
そうした背景から、RC42は「古くならない完成形」として、多くのベテランライダーからも高く評価され続けています。
代表的な仕様・装備・カラーラインナップ
- 丸目ヘッドライト:クラシカルな印象を与える特徴で、視認性にも優れており、夜間の走行でも安心感があります。また、この丸目デザインは近年のネオクラシックブームの流れにも合致し、旧車好きからも高評価を得ています。
- クロームメッキマフラー:耐腐食性が高く、見た目の美しさも際立つ装備です。特に光沢感のある仕上がりは、バイク全体の質感を引き上げ、日光を浴びたときの存在感を一層際立たせます。純正の状態でも十分な迫力と重厚感があり、カスタムせずとも満足度の高いポイントです。
- 黒金(仏壇カラー)、白青ラインなど:黒金は“仏壇カラー”と呼ばれるものの、近年ではこの渋い色合いが再評価され、特に中高年層やクラシック志向の若者から注目されています。一方、白青ラインは爽やかでスポーティな印象を与え、より軽快で洗練されたイメージを演出してくれます。これらのカラーバリエーションは、見る人や乗る人によって異なる印象を与える多様な魅力を備えています。
大型バイクとしてのクラス・排気量・バランス
748ccという排気量は中級者にちょうど良く、空冷4発エンジンの滑らかな回転とサウンドが魅力です。
この排気量は大型バイク初心者が無理なく扱える限界に近い一方で、経験者にとっても物足りなさを感じさせない絶妙なパワーバランスを持っています。
特に空冷エンジン特有のフィーリングや、一定の回転数で響く重低音は、多くのライダーの心を掴んで離しません。
また、信号待ちからの発進や、山道でのシフトチェンジ時にも自然でリニアな反応を示し、操作していて非常に楽しいバイクです。
高速道路でもエンジンが唸ることなくスムーズに加速し、疲労感の少ない巡航が可能で、ロングツーリングにも安心して使用できます。
車体全体とのバランスも良好で、エンジンの振動が適度に抑えられていることも快適性を高める要素となっています。
CB750 RC42購入前に知っておきたいポイント

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中古車価格と値上がり傾向、査定のポイント
状態 | 平均価格 |
---|---|
教習車上がり | 35〜45万円 |
美車・ノーマル | 50〜70万円 |
カスタム車両 | 状態により上下 |
故障しやすい部位と耐久性、メンテナンス事情
- CDIユニット(経年劣化):RC42に限らず旧型車両全般に見られる問題であり、走行中の突然のエンストや始動性の悪化といったトラブルの原因になります。定期的な点検や予防交換が推奨されており、予備をストックしておくオーナーも少なくありません。
- オイル滲みやゴム類の劣化:年式の古いモデルに共通する課題で、エンジンカバーやホース、パッキン類の硬化・収縮によりオイル滲みが発生することがあります。ゴムパーツは定期交換を視野に入れ、点検時に見落とさないことが大切です。状態が良い車両でも経年劣化は避けられず、維持する上での基本的なメンテナンス項目です。
- チェーン・スプロケの摩耗:走行距離が多い車両ほど摩耗が進んでおり、異音やチェーンの伸びによる操作感の悪化、燃費の低下にもつながります。定期的なグリスアップや交換を行うことで、快適な乗り心地と安全性を維持できます。純正部品もまだ入手可能で、ランニングコストとしては比較的抑えられています。
教習車・愛車・趣味バイクとしての楽しみ方
通勤から週末のツーリングまで幅広く活躍できるCB750 RC42は、まさに“万能バイク”と呼べる存在です。
街中のストップアンドゴーにも対応できる柔らかいクラッチとスムーズな加速性能、長距離を走っても疲れにくいシート形状や振動の少なさなど、日常使いの利便性と趣味性が見事に両立しています。
特に週末のツーリングでは、空冷エンジンならではの独特なサウンドやフィーリングがライダーの気分を盛り上げ、道中の景色とともに五感で楽しむことができます。
また、構造がシンプルなことからメンテナンスがしやすく、整備好きのユーザーにとっては「自分の手でバイクを育てる」喜びを味わえる点も大きな魅力となっています。
オイル交換やプラグ交換、キャブ調整などを自分で行うことで、より深い愛着が湧くという声も多く聞かれます。
まとめ:CB750 RC42はなぜ今も注目されるのか?

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採点・総合評価と今後の市場予測
評価項目 | 採点(5点満点) |
---|---|
デザイン | 3.5 |
信頼性 | 5.0 |
維持費 | 4.0 |
楽しさ | 4.5 |
総合 | 4.3 |
今後もプレミア化とパーツ供給の安定により、RC42は隠れた名車として評価され続けるでしょう。
特に、空冷エンジンという今では貴重な存在が搭載されていることや、絶妙な車体バランス、信頼性の高いメカニズムなどが相まって、長期的に価値が見直されることが予想されます。
さらに、CB750 RC42は幅広い年齢層に支持されており、若い世代には新鮮に、ベテランライダーには懐かしく映るという独特のポジションを築いています。
加えて、SNSやバイクイベントを通じた情報発信によってその魅力が拡散され、新たなファン層を獲得しつつあります。
このような背景から、今後RC42は単なる中古車市場の対象を超え、文化的な価値を帯びたクラシックモデルとして、その存在感をより一層強めていくことでしょう。
CB750 RC42が名車と呼ばれる理由とユーザーの声
「見た目は地味。でも乗れば分かる。これがホンダの真骨頂。派手なスペックや外観ではなく、毎日の走行で感じる安定感や、何気ない操作のなかで得られる信頼こそがこのバイクの魅力なんだ」
「これが“普通のすごさ”というやつ。ただ走るだけじゃない、止まる・曲がる・流す、そのすべてが自然で、気づけばバイクの存在を忘れて景色に没頭している。そんなバイクはそう多くない」