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CB1100が不人気って本当?知られざる魅力と今だからこその価値

プレミアバイクワールド・イメージ

レトロなデザインと空冷エンジンで知られるホンダCB1100。

1970年代の名車たちを思わせるその佇まいと、鼓動感あるエンジンフィールは、多くのバイクファンにとって心をくすぐる存在です。

しかし一方で、現代のバイク市場においては「不人気」という言葉がセットで語られることも少なくありません。

なぜ、そんなに魅力的な要素を持ちながらも、不人気とされてしまうのでしょうか?

そこにはデザインや性能に関する時代背景、ユーザーのニーズ変化、そしてライバル車との比較といった複合的な要因が隠れています。

本記事では、CB1100が“不人気”とされる理由を冷静に分析しながら、実際に乗ってこそ感じられる隠れた魅力、そして生産終了を迎えた今だからこそ見直される価値について丁寧に解説していきます。

スペックや数値だけでは語りきれない“バイクとしての味わい”を再評価し、流行や流行り廃りに左右されない「本質的な魅力」を持つ1台として、CB1100の真の姿に迫っていきます。

この記事のポイント

  • CB1100が不人気とされる理由の背景
  • 現代のバイク市場におけるCB1100の立ち位置
  • 実際に乗ってわかるCB1100の隠れた魅力
  • 他の人気バイクとの比較と違い
  • 生産終了後の価値や今後の注目ポイント

CB1100が不人気の理由とは?

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CB1100の市場における位置付け

CB1100は、2010年にホンダが市場に投入したネオクラシックスタイルの大型バイクであり、当時としては珍しい空冷直列4気筒エンジンを搭載したことで話題となりました。

このモデルは、1970年代のホンダCBシリーズのデザインを彷彿とさせるクラシカルな外観を持ち、最新技術との融合というよりは、あえて時代を逆行するような美学が感じられる設計となっています。

そのレトロなルックスに加えて、エンジン特性も穏やかで扱いやすく、特に長距離ツーリングなどでの快適性を重視したチューニングが施されています。

また、現代の多くのバイクが水冷化や電子制御化を進める中、CB1100はあくまでアナログな乗り味を楽しむことを重視しており、ベテランライダーや「味のある走り」を求める層から根強い支持を集めてきました。

項目内容
登場年2010年
排気量1,140cc
エンジン空冷直列4気筒
ターゲットミドル〜シニア層

不人気の背後にある見た目やデザインの影響

若年層からは「古臭い」「地味」と見られがちで、Z900RSなどの洗練されたネオクラシックスタイルと比較すると、どうしても保守的で時代に逆行しているようなデザインに映ることがあります。

特に、LEDライトやデジタルメーターといった現代的な装備が標準化しつつある中、CB1100のようなアナログ指針メーターや丸型ヘッドライトなどは、若いライダーにとって「昔っぽい」「機能が物足りない」と感じられることもあるでしょう。

また、カラーバリエーションも落ち着いたものが多く、派手さや個性を求める層にとっては選択肢から外れやすい要因になっています。

とはいえ、そのクラシカルなルックスを高く評価するファンも多く、年齢層が上がるほどにデザインの魅力を再認識される傾向も見られます。

スペックと性能:CB1100の魅力

CB1100は、加速力よりも走行時の安定感やトルクを重視した設計がなされています。

高回転域でのパンチの効いた加速を求めるようなスピード重視のユーザーにとっては、やや物足りなさを感じるかもしれませんが、その代わりに低中速域での扱いやすさと、安定したライディングフィールを提供してくれます。

特に街乗りやツーリングにおいては、力強く滑らかなトルク特性によって、ストレスなく走行できるのが魅力です。

また、長距離を走った際にも疲労が溜まりにくい設計となっており、どこまでも走っていたくなるような落ち着いた乗り味を堪能できます。

つまり、CB1100は速度や刺激よりも、バイクと一体になってゆったりと景色を楽しみながら走るという、ライディング本来の楽しさを味わいたいライダーにこそフィットする仕様と言えるでしょう。

スペック項目CB1100Z900RS
馬力約90ps約111ps
重量約255kg約215kg
フィーリング重厚・低速トルク重視軽快・高回転型

CB1100RS・CB1100EXとの違い

  • RS:倒立フォークやキャストホイールを採用し、サスペンションの剛性向上とスポーツライディング時の安定性を追求したモデルです。標準モデルよりもバンク角やブレーキング性能にも優れており、より積極的にワインディングロードを楽しみたいライダーに適しています。見た目にも引き締まった印象があり、現代的な走りとクラシカルな雰囲気を両立しています。
  • EX:スポークホイールやメッキパーツを多用することで、1970年代のクラシックバイクの雰囲気を色濃く再現しています。ハンドル形状も高めで、よりリラックスしたポジションが取れる設計になっており、ツーリング志向のライダーや見た目の美しさを重視する層に人気です。特にクローム仕上げのディテールは、所有する満足感を高めてくれます。

CB1100の隠れた魅力

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空冷エンジンの特徴と利点

空冷ならではのエンジン外観と、ライダーに伝わる機械的な鼓動感は、CB1100の最大の魅力のひとつです。

特にエンジンフィンの造形美や、エキゾーストの熱気が伝わる感触は、空冷エンジンならではの味わいと言えるでしょう。

また、水冷エンジンに比べて冷却系の構造がシンプルで、ラジエーターやウォーターポンプなどのトラブルリスクが少ないため、長期的な維持管理の面でも安心感があります。

整備性にも優れており、オイル交換やプラグ交換などの日常的なメンテナンスも比較的容易です。

こうした特徴が、CB1100をあえて選ぶ理由として、多くのライダーに支持されています。

走行距離と性能の関係

整備次第で10万km超えも可能とされるCB1100のエンジンは、その耐久性の高さで知られています。

空冷ながらも現代の設計技術によって適切な冷却と潤滑が確保されており、オイル交換やバルブ調整などの定期的なメンテナンスを行えば、非常に長寿命なエンジンとして活躍します。

エンジン素材や内部構造も堅牢に作られており、過走行車であっても整備記録さえきちんとしていれば、性能が大きく損なわれることは少ないと言えるでしょう。

そのため、中古車市場においてもCB1100は「走行距離だけでは判断できない」モデルとして知られ、しっかりと整備された個体であれば、長期にわたって安心して使える実用性の高いバイクとされています。

走行距離状態の目安
〜2万km新品に近い
2〜5万km実用域で問題なし
5万km〜メンテ履歴に注目

ライダーに選ばれる理由:個性とスタイル

クラシックを愛するライダーにとって、CB1100はまさに「バイクらしいバイク」と言える存在です。

直線的でシンプルなフレーム構造や、丸型のヘッドライト、クロームメッキのタンクやマフラーなど、往年のホンダ車の面影を色濃く残したそのデザインは、現代の電子制御バイクとは一線を画す趣を持っています。

走行中のサウンドやエンジンの鼓動感もアナログな味わいにあふれており、ライダーとの一体感を感じやすいのも特徴です。

さらに、街乗りにおいても視線を集める存在感があり、信号待ちやカフェの前に止めているだけでも「絵になる」バイクとしての魅力を発揮します。

その結果、他にはない所有感や満足感を得ることができ、CB1100は見た目と乗り味の両面で、ライダーにとって唯一無二の選択肢となっているのです。

高騰しない理由と買取価格の現状

CB1100は一部で根強い人気を保っているものの、近年のZ900RSのような爆発的な中古価格の高騰という現象は見られていません。

Z900RSが若い層を中心に絶大な支持を集め、年式や状態によっては新車価格を超えるプレミアム価格がつく中で、CB1100は比較的落ち着いた相場を維持しています。

これは一見すると不人気の証のようにも思われがちですが、実際には「好きな人が選ぶ、通好みのバイク」としての立ち位置を確立しているとも言えます。

供給過多ではないが、需要が爆発的に増えることもないという安定した市場が形成されているため、購入時にも割高感がなく、コストパフォーマンスの点で非常に魅力的な選択肢となっています。

中古車を探す際にも、程度の良い車両が適正価格で見つかる可能性が高く、バイクとしての実用性と趣味性のバランスを重視するライダーにとっては、賢い買い物になるでしょう。

CB1100を選ぶべき年式とは?

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おすすめの年式とその特徴

CB1100のモデルは年式によって細かな進化が見られます。中でもおすすめなのは、以下の通りです:

  • 2014年式以降:この年から6速ミッションが採用され、従来の5速よりも高速走行時の回転数が抑えられ、燃費や静粛性が改善されました。またABSの標準装備化が進み、安全性能も向上しています。
  • 2017年式以降(RS/EX):フルモデルチェンジが施され、EXモデルではクラシック色が強まり、RSモデルではスポーティな走りに対応した足回りと装備が充実しました。LEDテールライトや細かなパーツの質感向上もポイントです。
年式特徴
2010〜2013初期型。5速ミッションでツーリング時にエンジン回転数が高め
2014〜20166速化とABS搭載、燃費と快適性が向上
2017〜2022RS/EX登場。装備・質感が大幅アップ

中古市場での扱いと査定のポイント

CB1100の中古車市場は比較的安定しており、適正価格で状態の良い車体が見つかる傾向があります。以下の点をチェックすると良いでしょう:

  • 純正パーツの有無:カスタムされすぎている車両は査定が下がることがあります。
  • 整備記録の有無:定期点検やオイル交換履歴がしっかりしている車両は信頼性が高く、査定も良好です。
  • 保管状態:屋内保管されていたかどうかで車体の劣化度合いが変わります。
査定に影響するポイント内容
カスタム内容純正重視かどうか
メンテ記録定期点検・交換歴の明記
外装状態傷や錆、塗装の状態

走行距離が与える影響

CB1100は高い耐久性を誇るため、走行距離だけで状態を判断するのは不適切です。

空冷エンジンながらも高品質な素材と設計により、適切な整備がされていれば非常に長く乗り続けることが可能です。

エンジンだけでなく足回りや電装系にも信頼性が高く、走行距離が伸びていても致命的なトラブルが少ないことも特徴のひとつです。

また、電子制御系の装備が少ない分、メンテナンスがしやすく、故障リスクも少なく抑えられています。

以下の目安を参考にして、走行距離による判断基準を確認しましょう:

  • 〜2万km:ほぼ新車に近い状態で、エンジン・足回りともに消耗が少なく、外装も綺麗なものが多い。中古市場ではプレミア価格が付くこともあります。
  • 2〜5万km:流通している中古車の中で最も多いゾーン。適切なメンテナンスさえされていれば、十分に安心して長距離ツーリングにも対応できます。価格と品質のバランスが取れたお得な選択肢です。
  • 5万km以上:走行距離は多く見えますが、エンジンや駆動系などの整備履歴をしっかり確認すれば問題ないケースも多いです。消耗品の交換歴(チェーン、ブレーキパッド、タイヤなど)やエンジン周辺のオーバーホール履歴などをチェックすることで、状態の良い1台を見極めることが可能です。

CB1100と他のバイクの比較

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ヤマハやカワサキとの違い

CB1100は、そのクラシックで落ち着いた雰囲気と空冷エンジンの味わい深さが特徴です。一方、同じくネオクラシックのジャンルで競合とされるカワサキZ900RSやヤマハXSR900は、よりモダンな走りとスタイルを持ち合わせており、若い世代にも人気があります。

車種エンジン特徴対象ユーザー層
CB1100空冷直列4気筒落ち着いた走り、重厚感、クラシック志向中高年層、ゆったり派ライダー
Z900RS水冷直列4気筒パワフルで軽快、スタイリッシュなデザイン幅広い年齢層、スポーツ派
XSR900水冷並列3気筒軽量、高出力、電子制御装備が豊富若年層、現代的な走りを求める層

CB1100はあえて電子制御を最小限に抑えており、機械との一体感やメンテナンスのしやすさを重視する層に支持されています。それに対し、Z900RSやXSR900はトラコン、ABS、電子スロットルなど現代的な装備をフル活用しており、快適さと安全性では優位です。

人気車種との性能比較

比較項目CB1100Z900RSXSR900
馬力約90ps約111ps約120ps
重量約255kg約215kg約193kg
エンジン形式空冷直4水冷直4水冷並列3気筒
トルク特性低回転型中高速重視高回転型
電子制御最小限充実充実
デザイン傾向クラシック重視ネオクラシック融合モダンレトロ

CB1100は、最も「伝統的なバイクらしさ」を大切にしており、最新技術による軽量化や高出力にはこだわらず、走ることの本質的な楽しさを味わうためのバイクです。対して、Z900RSとXSR900は現代の技術を活かしながらクラシックな雰囲気を取り入れるというアプローチです。

📷3車種の外観比較:CB1100、Z900RS、XSR900

今だからこそのCB1100の価値

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新車購入 vs 中古購入のメリット

CB1100はすでに新車の生産が終了しており、現在市場に出回っている新車はディーラー在庫や未登録車に限られます。

一方で中古市場には豊富な選択肢があり、年式や仕様、走行距離などによって価格帯も幅広くなっています。

新車(未登録車)購入のメリット

  • 走行ゼロの完璧な状態で所有できる
  • メーカー保証が付く場合がある
  • 最終型(EX・RSなど)なら装備が最も充実

中古車購入のメリット

  • 価格が手頃でコストパフォーマンスが高い
  • 希少なカラーや仕様が手に入る可能性
  • カスタム済み車両など、個性を出しやすい
購入区分メリット注意点
新車状態が完璧 / 最新装備入手困難 / 高価格
中古選択肢が豊富 / 安価状態確認が重要 / メンテ記録要確認

カスタムの可能性とおすすめのマフラー

CB1100はノーマルのままでも美しいバイクですが、カスタムすることでより一層の個性を発揮できます。特にマフラー交換は人気のカスタムで、音質やルックスの変化を楽しむことができます。

おすすめマフラーブランド:

  • モリワキ:純正に近いトーンながら重低音。政府認証モデルあり。
  • ヨシムラ:高回転時の伸びが良く、スポーティな音質が特徴。
  • ノジマ:中低速域のトルクアップに定評。存在感あるスタイル。
ブランド特徴車検対応
モリワキ音質・デザインがバランス型あり
ヨシムラ高音でスポーティモデルによる
ノジマトルク感重視一部対応

📷CB1100に装着された各社マフラーの比較

CB1100購入後の後悔とその対策

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選び方のポイントと避けたい年式

CB1100はモデルチェンジを繰り返してきたバイクであり、年式ごとに性能や装備が大きく異なります。そのため、選び方を間違えると「思ったより合わなかった」と感じてしまうことがあります。

避けられがちなポイント

  • 2010〜2013年式:5速ミッションで高速巡航時に回転数が高く、燃費や静粛性に難あり。ABS非搭載のモデルも存在します。
  • 過度なカスタム車両:純正部品が残っていない、過剰に改造された車体は好みが分かれ、整備性や再販時に不利になることがあります。

選ぶ際のチェックポイント

  • 2014年以降の6速モデルを優先
  • 整備記録・取扱説明書・パーツリストの有無
  • 実車の保管環境(屋内・屋外)や使用履歴
年式注意点おすすめ度
2010〜20135速、ABS非搭載あり
2014〜20166速化、快適性UP
2017〜2022RS/EXの最終仕様◎◎

ライダーが愛着を持つ理由

CB1100は派手さや最新装備を追求したバイクではありませんが、その分だけ“飽きの来ない魅力”を持っています。空冷エンジンの鼓動、シンプルで飽きの来ないクラシックなフォルム、そして機械と対話するような乗り味は、長く付き合うほどに味わい深くなるものです。

さらに、日常使いからツーリングまで幅広くこなせる万能さと、カスタムの自由度も人気の要因です。「速さ」や「電子制御」とは違うベクトルでの“所有する喜び”を与えてくれるモデルとして、手放せなくなるライダーが多いのも納得です。

📷オーナーとCB1100が写ったガレージ風景、ツーリング先でのCB1100(自然や峠道背景)

まとめ:CB1100の未来とリセールバリュー

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今後の生産計画と市場動向

CB1100は2022年をもってホンダの公式ラインナップから生産終了となりました。これは排ガス規制(ユーロ5)や市場の電動化志向、軽量・高出力化への流れを受けた結果であり、空冷エンジンの終焉を象徴する出来事でもあります。

そのため、今後CB1100が新たに登場する可能性は極めて低く、中古車市場に存在する個体が貴重な資源となっていきます。特に最終型(RS・EX)は今後プレミア化する可能性もあり、長期保有を視野に入れるなら今が買い時と言えるかもしれません。

動向
2022年生産終了(Final Edition発売)
今後新モデルの予定なし、在庫限り
中古市場安定傾向、RS/EXは上昇予想

📈CB1100の中古車平均価格推移(2018〜現在)

CB1100を楽しむためのポイント

CB1100を最大限に楽しむには、スペックや速さだけではなく“味”を楽しむという視点が重要です。

  • 乗り方の工夫:急加速や高速巡航よりも、ワインディングや街乗りでのしっとりとした加速感を楽しむ
  • メンテナンスを楽しむ:空冷ならではのエンジン整備や、外装の磨き込みなど手間をかけるほど愛着が増します
  • カスタムによる個性化:マフラーやシート、ウインカーなどの小改造で、唯一無二の1台に仕上げる楽しみがあります

CB1100は「乗り味」「所有感」「メンテナンスの楽しみ」など、現代のバイクには少なくなったアナログな魅力を持ち合わせています。その価値に共感できるライダーにとって、CB1100は単なる移動手段ではなく「人生を豊かにする道具」となるでしょう。

📷CB1100でのツーリング風景、ガレージで整備する様子

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